インフレ時代、老後資金はどう変わる?考えるべきポイントとは
2024年11月23日
暮らしを直撃する物価上昇と老後資金の増加。
老後資金が5年前の2000万円から倍増の4000万円になる可能性が話題になりました。
老後資金が倍増する背景とは
今年12月までに1万2458品目の食品が値上げされ、その平均上昇率は17%に達しています。
この物価上昇を背景に、65歳以降30年間の老後資金が4000万円必要になるという試算が発表されました。
ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏によれば、年3.5%の物価上昇が続けば、2000万円が20年後には約3980万円に膨らむといいます。
物価の上昇は、短期間では感じにくいものの、長期的には家計に大きな影響を与えます。
特に若い世代がインフレの影響を軽視している現状は、将来の資産形成において課題となりそうです。
異なる試算が示す希望の光
一方で、第一生命経済研究所の永浜利広氏が日銀の目標である2%の物価上昇率を前提に試算した結果、老後資金は2033万円程度になるとのこと。
また、家計収支の赤字が改善するデータを踏まえると、必要資金は約1144万円にまで縮小する可能性も指摘されています。
1200万円弱であれば、平均的な退職金や貯蓄で対応可能な範囲です。
老後の資金計画は一律ではありません。
生活スタイルや支出の見直しによって、必要資金は大きく変動します。
恐怖を煽る数字に振り回されるのではなく、自分に合った現実的なプランを作ることが大切です。
新しい老後の形—働く高齢者の増加
総務省のデータによると、65歳以上の就業者数は過去最多の914万人に達し、65~69歳の就業率は52%、70~74歳でも34%と過去最高を記録しました。
この変化は、老後を単なる「引退の時期」と捉えず、アクティブに働き続ける時代の到来を示しています。
働く高齢者世帯の家計収支は月約9.5万円の黒字であり、70歳時点で約570万円の貯蓄を可能にするとの試算もあります。
就業環境の改善が進むことで、老後の選択肢はより柔軟になってきています。
年金制度と共働き世帯の未来
女性の年金受給額が将来的に増加する見込みも朗報です。
政府は早ければ来年1月から、共働きや単身世帯の実態を反映した新しい年金モデルを導入する方針を示しています。
これにより、老後の生活モデルが多様化し、さらに現実に即した制度設計が期待されます。
感想と考察
今回の話題を通じて感じたのは、インフレが老後資金に与える影響の深刻さと、世代間の認識ギャップです。
物価上昇への対策として、少額投資非課税制度(NISA)などを活用するのはもちろん、働き続ける選択肢を視野に入れることが重要だと感じました。
また、単に「4000万円」という数字に恐れるのではなく、自分のライフスタイルや収支を見直し、柔軟に対応する姿勢が必要です。
社会全体でインフレ時代の資産形成について考える機会が増えれば、個人の安心感にもつながるでしょう。
閉めの言葉
老後資金に対する不安を解消するためには、情報を正しく理解し、現実的な計画を立てることが不可欠です。
今回の内容を参考に、未来に備えた行動を始めてみませんか?